低侵襲医療


低侵襲医療は新たな医療の向上を目指し日進月歩の進化を遂げています。これまでの医療に比べて身体への侵襲が少なく、従来と同等、あるいはそれ以上の効果が得られるように開発された新しい医療です。低侵襲医療は痛みが少なく、傷口が小さく、治癒も早いなどのメリットがあるため患者のQOL(Quality of Life)の向上にも貢献しています。

がん

陽子線治療

陽子線治療(Proton therapy)とは放射線療法の一手法。陽子線治療は対象患部の深さや範囲に合わせてピンポイントで照射し、正常な組織を傷つけずに体の奥にあるがん病巣だけを死滅させることができます。従来の放射線治療よりも副作用が軽く今まで治療が難しかったがんにも高い効果が期待できます。

ガンマナイフ治療/サイバーナイフ治療

定位放射線治療を行う放射線照射装置の一つです。単回照射と分割照射の2つの照射方法があります。一回あたり大線量の放射線を対象幹部に照射し治療が行われています。

動脈塞栓術

動脈塞栓術とは、がんへ栄養や酸素などを送っている血管をカテーテルと呼ばれる細い管を挿入して、がんへ栄養を運んでいる血管まで通して血管を詰まらせる物質を注入することで栄養補給を受けるがん細胞を死滅させる治療法です。

内視鏡手術

腹部、胸部などに3~15ミリ程度の穴を数か所開けて、そこから内視鏡や専用の手術器具を挿入し、モニターに映し出される体内の様子を観察しながら、遠隔操作で手術を行う手術方法です。一般的な外科手術よりも患者の身体的負担が少なく、回復も早いが、高度な技術が必要とされます。

免疫細胞療法

主にT細胞を活性化させた療法、がんワクチン療法(がんペプチドワクチン療法)、樹状細胞療法、NK細胞療法などがあります。その目的はいずれも免疫細胞であるリンパ球を活性化させようとする療法です。近年、免疫チェックポイント阻害剤併用でのがん療法が期待されています。

心臓疾患

冠動脈インターベンション(PCI)

心筋梗塞や狭心症といった心筋の栄養血管である冠動脈の内腔が動脈硬化や血栓により狭窄または閉塞することによって、心筋が虚血状態(酸素不足)となった冠動脈狭窄性病変に対してカテーテルを用いて血管拡張を行う治療です。

小切開冠動脈バイパス術(MIDCAB)

胸骨正中切開という胸を大きく切開して行う手術と違って、わずに小さい切開(乳房下7~10㎝)で心臓を止めることなく冠動脈バイパス術を行う手術方法です。身体への侵襲が極めて低く有用な術式ですが、高度な技術が必要とされる手術法です。

低侵襲心臓手術(MICS)

胸骨正中切開という胸を大きく切開して行われる心臓手術を、できるだけ小さな切開で行う心臓手術全般の総称です。英語の略語からMICS(ミックス)と呼ばれています。具体的には肋骨と肋骨の間(肋間)を5~10cmほど切開し、特殊な手術器具を使用して行う心臓手術です。ポートアクセス法とも呼ばれる高度な技術が必要とされる手術法です。

経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)

心臓弁膜症のひとつである大動脈弁狭窄症を専用のカテーテル器具を用いて重症の大動脈弁の治療を行う新しい手術方法です。開胸することなく、また心臓も止めることなく、カテーテルを使用して人工心臓弁を患者の心臓に留置します。

カテーテルアブレーション治療(心筋焼灼術)

心臓不整脈の代表的な治療方法です。専用のカテーテル電極を用いて心腔内の不整脈の原因となっている異常な部位を焼灼して正常な脈に戻す治療法です。

脳疾患

脳血管内治療

開頭(かいとう)する代わりに鼡径(そけい)からごく細いカテーテルを頚部や頭蓋内の血管まで挿入して、血管の中から脳の血管の疾患を治療する手術法です。治療に使用するカテーテルや器材の改良と技術の進歩に伴い、これまでの開頭手術では治療が困難であった様々な疾患の治療の可能性が広がってきています。

  • コイル塞栓術: 専用のカテーテルを使い、脳血管の治療対象の瘤の中にプラチナ製のコイルを入れて瘤をふさいでしまう手術です。
  • ステント留置術: 専用のカテーテルを使い、細くなった頚動脈血管にステント(網目の金属製の筒)を留置して、血管の中から細くなった頚動脈を押し広げる治療です。